私は、本年度、社団法人越谷青年会議所から社団法人日本青年会議所「気高き日本」創造グループ 領土・領海問題委員会へ出向させていただいており、日本の領土問題に関して、勉強し、考え、発信させていただく機会を得ております。
そして、私も、ビザなし訪問のメンバーに選んでいただき、7月はじめに国後島と択捉島を訪問することになりました。
■北方領土は右か?
「北方領土」という言葉を聞くと、(少なくとも関東地方では)右翼的な響きに感じる方が多いようです。しかし、事実は全く違います。
自民党、民主党、公明党のみならず、社民党、共産党も北方領土の返還を要求しておりますし、毎年、二月七日の「北方領土の日」に九段会館で行われる北方領土返還要求全国大会にも、各政党から来賓として出席されております。 (なお共産党につきましては主要政党の中では唯一、北方四島のみならず、千島列島全部(北方四島+北千島)の返還を要求しております。)
各県におきましても北方領土返還要求都道府県民会議というのがあります。埼玉県の場合、婦人会連合会、連合埼玉、市長会、町村会、医師会、商工会議所連合、日本青年会議所埼玉ブロック協議会などが理事等を務められているようです。
本年2月に行われました北方領土返還要求埼玉県民大会では、昨年度ビザなし交流に参加したという連合埼玉(労働組合の集まりの埼玉県の団体)の方が、写真とともに参加の報告をされておりました。
このことから、北方領土問題は、拉致問題と同様に、右とか左とか関係なく、支持政党など関係なく、日本人として解決しなければならない問題だということが分かります。
日本国外務省も、「北方四島は日本の領土であり、北千島と南樺太は、帰属未定の地」としていたと思います。(教科書等の地図でも北千島と南樺太は白地であり、北方四島は日本領土の色分けになっていたと思います。)
■ビザなし交流とは
ビザなし交流について簡単に説明させていただきます。
ビザなし交流、もしくはビザなし渡航などと呼ばれている北方四島交流事業があります。「領土問題解決までの間、相互理解の増進を図り、領土問題の解決に寄与すること」を目的として1991年より行われており、元島民関係者、返還運動団体関係者、報道関係者などが対象となっております。通常、ロシアに入国するときはビザが必要ですが、北方四島は日本領土との認識から、ビザなしでの渡航を可能にしております。
社団法人日本青年会議所 領土・領海委員会におきましても、返還運動関係者の中から毎年参加枠をいただき、参加しております。本年度の委員会からはスタッフから3名、メンバーから3名の合計6名が参加することとなり、私も参加することになりました。
■本年度のビザなし交流
ビザなし交流は毎年夏の一定の時期に何回かに分けて行われているようです。今年はすでに5月の中旬に第一陣が参加しており、そのことも一部ニュースで取り上げられております。
領土問題解決のための枠組みにも関わらず、洞爺湖サミットで環境問題が取り上げられること、現在の島民が領土問題を話題にしたくない(モスクワが話題にしたくないということかもしれません)ことから、「ただ、領土問題を話し合う機会がほとんどなかったため、元島民からは集会終了後『ロシア側が都合の良いプログラムを組んだのではないか』という批判も出た。」という記事になっておりました。
第二陣には、鈴木宗男議員も10年ぶりに北方領土に行ってきたとのニュースがありました。
「武田団長は同島で急速に進む港湾整備、新飛行場の建設や、近代的な水産加工場の現実を目の当たりにして、『今まで通りの北方領土返還運動でいいのか。もう少し形を変えて運動をしていかなければならないと思った』と話した。」
「顧問として参加した新党大地の鈴木宗男衆院議員は、新しいクリル列島社会経済発展計画について『9年間で900億円というのはロシアの貨幣価値からいって大変な額。黙っていれば(四島との経済交流を認めないという、これまで通りの姿勢を政府が取り続けた場合)日本が出る幕がなくなってしまう。本当にそれで良いのか』として、発想の転換を求めた。」
■ムネオ日記から
第二陣に参加した鈴木宗男議員によるムネオ日記にもう少し詳しくあります。抜粋させていただきます。
・2008年6月3日(火) ビザなし交流で訪問した択捉島は、私にとって10年ぶりだったが、択捉の島が遠くなった感じがしたことを、率直に地元後援会・領土関係者、報道関係者にも話してきたが、早速反応がある。
2008年6月2日(月)
道路は10年前と同じで舗装されていないが、内岡港は岸壁工事が進み、7月にはロサ・ルゴサ号も直接入港できるという。新空港も建設に着手している。病院も新しい建物ができ、中の整備に入るという。エレーナ・コルイチュワ副地区長の話だと、クリル発展計画は2007年からスタートし、2015年までに179億4170万ルーブル(日本円にして約800億円弱)の予算で、昨年、今年と政府からお金が来ているとのことだった。
驚いたのは、島民との対話集会で、領土問題を議題にすると人が集まらないのだと、出席者の女性が教えてくれたことである。それで対話集会のテーマは「環境問題を考える・自然環境の保全とエコライフ」になっている。
何のためのビザなし訪問か、考える時期に来ているのではないか。ビザなし訪問という枠組みがあるから無理して日程を作るのでは意味がない。領土問題解決のためにこの制度が出来たという原点を忘れてはならない。領土問題が風化しかねない状況で、せっかく国民の税金を使って行う事業が将来に生かされない様では困る。
昨日の対話集会で、私はビザなし訪問がなぜ出来たか、北方四島は係争地域であり、話し合いで解決することを日本とロシアの最高首脳が確認していること等、歴史的経過を交えて話した。また、この島の先住民族はアイヌ民族であることと、そして自然保護、環境保全の観点から、知床が世界遺産に指定されたが、北方四島は自然環境・生態系は知床と全く一緒であり、島の皆さんも政府に北方四島の世界遺産登録の声を上げて戴きたいと話すと、出席していたロシア人は全員拍手をしてくれた。
■参加日程
私の参加日程は下記の通りとなっております。お仕事がらみの皆様にはご不便をお掛けしてしまうかもしれませんがご理解のほどお願い申し上げます。なお、携帯電話は国際ローミングで通じるらしいとの話を聞いております。
6月29日(日) 結団式 18:00~18:30 懇親会 18:30~20:00 30日(月) 研修会 9:00~14:40 ニホロ 出発式 16:00~17:00 琴平町岸壁 出港 17:00 7月1日 (火) 国後島 2日 (水) 択捉島 3日 (木) 択捉島 4日 (金) 帰港 夕方予定 根室港 5日 (土) 解散
以上、長くなりました。 また途中経過を報告させていただきます。 皆さんからのご質問、ご意見などお待ちしております。
追加:北方領土での日程及び活動内容(6/27追加)
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