「女子の本懐」小池百合子
2007 / 12 / 28 ( Fri )
前防衛大臣、小池百合子氏の最新刊、「女子の本懐」を読ませていただきました。華やかなニュースキャスター出身の女性大臣、つまりタレント議員、そんなイメージの小池百合子氏でしたが、本書でがらりと変わりました。マスコミのイメージ操作に惑わされてはいけませんね。

民主党は、小池氏の選挙区に江端貴子氏を擁立することを決めたというニュースが先日でておりました。その際、江端氏は会見後の取材で、「劇場型政治の象徴」「実よりパフォーマンスで目立ってきた人という印象」とキツイ先制口撃を放った。と、(まるで当選したくないような)パフォーマンスを行ったようですね。このコメントは逆効果じゃないでしょうか。

江端氏は、MBA、マッキンゼー、東大准教授を渡り歩いたということで、とても優秀な方であることは間違いないと思います。ぜひ政治の世界でも頑張っていただきたいと思いますが、小池氏の研究もされた方がよろしいのではないでしょうか。民主党も、こうした希有な人材(と思われる方)を小池氏にぶつけるのではなく、もっと他にあてて、当選してもらって活躍してもらった方がよろしいと思うのですが。また選挙でワイドショーが盛り上がってしまいますね。

小池氏に話を戻します。小池氏は文藝春秋の一月号で「小沢一郎と小泉純一郎を斬る」という論文を寄稿しておりまして、小沢一郎氏の分析についてずいぶん的確なのではないか、と思い書店に並んでいた本書を手に取った次第です。

小池氏はカイロ大学ご出身ということで、英語のみならずアラビア語がペラペラ。国際会議でアラビア語で挨拶してしまいます。中東方面の方々は日本の大臣がアラビア語を話せるとなると親近感をもてますよね。これだけでもすばらしい。

そして、中東方面をはじめ世界中に人脈もすごい(らしい)。女性という政治の世界で少数派であることを逆に強みとして、どんどん人脈を作られていったようです。

そんなグローバルな人脈だけでなく、外国の方々に受けるユーモアなども交えながら会話できるのはなかなか真似できないでしょう。(本書に惑わされているかもしれませんが。だいたい本書も本人が書いたかどうかわかりませんし。)

それでは、長くなりますがまとめました。

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こんな時は、むしろ威厳を持ってあたらねば、相手が困るのだ。「私は、大臣よ」と、そっくり返る必要もないが、ある種の威厳や格調がないと、全体の雰囲気や、その後の段取りにまで影響するのである。環境大臣を務めた時も、内心「エラそーだなあ」を思いながらもなりきるようにした。さもなければ周りが困るのである。

防衛省での訓辞や環境に関する講演と、街頭演説では要領がまったく違う。訓辞ではある種の威厳が、講演では、わかりやすさと説得力がなによりも必要である。一方、選挙での街頭演説は、政策、候補者の人柄を、簡潔明瞭に訴えながら、陣営の闘志を高め、最後は投票行動へと聴衆を駆り立てるアジテート型が望まれる。さもなければ、なんのための応援かわからなくなるからだ。

(絆創膏を貼った赤城大臣に)
事務諸費問題で、連日のように、野党とマスコミに責め立てられて注目度が抜群なところに、さらなる注目を集めるのは確実だ。
「どうされました」と尋ねるのも憚られたが、それでも聞かないわけにはいかない。
「たいしたことではありません」と赤城大臣。
「これしか言わないのよ。どう見ても、たいしたことアル、としか思えへんのに」と高市大臣がチャチャを入れる。
「ですから、たいしたことありませんから」と、また赤城大臣。
それ以外は、語りませんよ、という意志を感じた。
・・・その記者会見でも、「たいしたことではありません」を繰り返していた。そう言えば、言うほど、皆の関心が向けられることは歴然としていた。

大きな手で自衛隊員が訓練に励む若い自衛隊員用に作るおにぎりは高齢者や女性、子供には大きすぎる。豚汁にしても、塩辛すぎれば高齢者に良くない。私はメニューに工夫を凝らすことと、少々手間はかかっても、被災者のニーズに対して、きめ細かに対応するように指示を出した。

会議では私はおもむろに一九七三年、カイロで経験した第四時中東戦争の思い出話をした。戦争勃発を伝える新聞を眺めながら、私は何をすればよいのか、わからなかったが、まず思いついたのは、食糧の確保だった。近くの食料品店に駆け込んだが、戦争慣れしたカイロ市民が、すでに買い占めした後だった。棚にはタワシと長靴しかなかった。大屋のおばさんから色々な注意を受けた。ベッドは窓際から離せ。迎撃用の高射砲による爆音でガラスが割れる。窓を黒く塗れ。灯火管制の常識だ。ガラス窓にはテープを蜘蛛の巣状に貼れ。ガラスが飛び散らないための工夫である。何よりも水の確保が大事。ありとあらゆる容器、バケツ、鍋、コップの一つ一つにいたるまで水を張った。そんな思い出話を披露したのだが、灯火管制を経験した人が誰もいないことがわかった。防衛省・自衛隊の幹部が、ただ一人として有事を体験していない。決して悪いことではない。それは平和な日本の証明であった。

私は、スーダン問題でも日本も何らかのかたちで参加を模索すべきと考えている。ところが、担当者は、「なぜ日本が参加できないか」をずらりと箇条書きにした資料を持ってきた。どうすれば日本が貢献できるかを考える前に、できない理由を見つけ出す。今年1月、防衛省昇格を機に、海外での平和活動を防衛省・自衛隊の本来任務に加えたはずではなかったか。

(アーリントン墓地やホワイトハウス、ペンタゴンなどで要人と会談し、日本に帰ってくると)空港で出迎えたのはマスコミの塊だった。みな訪米の成果よりも、次官人事に関心がある。

人事問題は、ありもしない話が一人歩きする情報戦の様相を呈していた。市ヶ谷のコップの中で情報戦に励むより、某国がきりきり舞するような情報戦に知恵とエネルギーをむけろ。自己防衛よりも、国家防衛に励め。そんな思いにかられた。

インドといえばガンジーである。私は、マハトマ・ガンジーの七つの大罪という考え方に共感を覚えている。1.哲学なき政治 2.道徳なきビジネス 3.労働なき富 4.人格なき教育 5.人間性なき科学 6.倫理なき快楽 7.献身なき宗教、である。

戦後、アメリカの占領政策に「3R,5D,3S」というものがあった。3Rは基本原則、5Dは重点施策、3Sは補助政策である。
3Rは復讐(Revenge)、改組(Reform)、復活(Revive)。
5Dは武装解除(Disarmament)、軍国主義の排除(Demilitalization)、工業力の破壊(Disindustrialization)、内務省や財閥などの解体(Decentralization)、そして民主化(Democratization)である。・・・
3Sは、性(Sex)の解放、映画・テレビなどのスクリーン(Screen)、最後にスポーツ(Sports)である。日本を骨抜きにし、二度と米国に対し、はむかわない国とする。日本人から魂を抜き、3Sに興じさせておけばよい。

戦前、戦後の歴代総理の指南役と言われた安岡正篤氏が「思考の三原則」をあげている。
1 目先にとらわれず、できるだけ長い目で見る
2 物事の一面にとらわれず、できるだけ多面的に、できれば全体的に見る
3 何事によらず枝葉末節にとらわれずに、根本的に考える
戦後の成功体験から発想を大転換し、二十一世紀にも日本が持続可能なHERBな国家であり続け、一人一人の国民が幸福を感じ、生きがいをもって暮らせる日本づくりに参加する。政治家の役割は、国家の「大義」を高らかに掲げ、大義に国民が「共感」を抱ける工夫をする。そして、着実に「大義」を実現することだと、改めて自覚したい。

「国力の方程式」元CIA副長官でジョージタウン大学教授のレイ・クライン氏によるものだという。
P=(C+E+M)×(S+W)
国力=(人口と領土+経済力+軍事力)×(戦略+実行する意思)
前半はハードパワー、後半がソフトパワーであり、この二要素を掛け合わせたものが国力だという。

国家を守り、発展させるためには、あるべき時は冷徹に、災害や復興の支援では相手に目線を合わせることが必要であろう。「Cool head,warm mind」である。
私とすれば、国家の安全保障には、かねてより提唱している「大義と共感」に加え、「信頼」が求められると考えている。
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おー、読み直してみても、素晴らしいことがたくさん書いてあるように思えます!
その場に合わせた役割を演じたり、対応をしたりといったことは大事ですね。私はなかなかできません・・・。

被災者の決め細かなニーズに対応する、そんなこと私には考えもつきませんでした。被災者はあまり贅沢をいったらいけないのではないか、ぐらいに考えていましたので反省。

国力の方程式、なかなかいい方程式ですね。
国力=(人口と領土+経済力+軍事力)×(戦略+実行する意思)
日本は、だいぶかけています。
領土に関して真剣さに欠け、戦略もなければ、実行する意志もなさそうですね。
政治家、役人の皆様に頑張っていただきたいとあらためておもいました。


あれ、意外とアマゾンの評価低いな。。。

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女子の本懐―市ヶ谷の55日 (文春新書 602)小池 百合子

おすすめ平均
stars政治家としての大局的判断と気配り
starsやっぱりただの「日記」ですね 
starsマスコミでのイメージと少し違う
stars笑えるしったかぶり
stars期待外れだった

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テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

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